吉祥寺二人暮らし

妻から離婚を切り出されています。

両親に今の状況を話してから
よく両親から連絡があります。

大丈夫なのか？
元気なのか？
やっていけてるのか？

そんな電話がしょっちゅうあります。

いちど実家に帰ってこいとしつこいので
連休を利用して実家に帰りました。

うちの両親は妻のことが大好きだった。
本当にかわいかったらしい。

両親は僕にこう言いました。

「綺麗な子をもらいすぎたんだよ」
「もともとお前にはもったいなかったんだ」

そうかもしれない。
確かに僕にはもったいなかったかもしれない。

「頼むから解放してあげてくれ」
「幸せになるようにねがってあげなさい」

それは、僕だって解ってるし、同じ気持ち。

でも、本当のことをいったら両親はなんていうんだろう。
彼女がどうやって家を飛び出したか。
そんなこと想像も出来ないんだえろうな。

そんなこと両親には関係ない。
黙って、僕にはもったいなかったってことにするのが
せめてもの親孝行なのかもしれない。
両親は彼女が好きだから。

ぼくは
「解ってるよ」
としか言えなかった。


両親は僕の生活も心配らしく
実家に戻って来いという。
確かに、仕事も辞めたし、生活もきつい。
いままで、どうしても二人の家だけは守りたくて
この家にしがみついてきたけど、正直、現実的にキツイ。

でも、実家には帰れない。
せっかく会社までやめて踏み出したんだから
もっと頑張りたい。
今、実家に帰ったら負けな気がする。

とりあえず、この2人の家はひきはらおうと思う。
また吉祥寺のどこかに一人暮らし用の家を借りようと思う。
そして、もっと頑張ってみようと思う。


実家からの帰り際
米だのパンだの缶詰だのいやってほど持たされた。
しばらくは食べていけそう。

「いつでも帰ってきていいんだよ」

そういって僕を見送ってた。