吉祥寺二人暮らし

妻から離婚を切り出せれています。

妻からどうしても会いたいというメールがきて
会いました。
吉祥寺のファミレスで待ち合わせをしてお話。

僕が先日出した、手紙を見たようです。

妻はいきなり泣いてました。
「手紙ありがとう」
そういって妻はずっと泣いてました。

「手紙嬉しかった。
よんで嬉しいことがたくさん書いてあった。
今まで本当に守られてきたんだなと思う。
自分が本当に子供だったんだと思う。
全部、私のせい。
何一つ間違ったことは書いてなかった。」

彼女はそういって泣いていた。

「でも、戻れない」

彼女はそう言っていた。

「あなたは今まで何一つ間違ったことはいってない。
ずっと私を守ってくれて、ひっぱてくれて、いつも一生懸命だった」

彼女は泣きながらそういってた。

「でも・・・私はかごの中の鳥みたいだった。
それが、ずっと幸せだった。それでいいと思ってた。
あなたにあなたらしくいてほしかった。
私はそれが幸せで、それが夢だった。
でも、今は違う。私は私の道を進みたい。
だから、だからごめんなさい。」

そういって彼女は泣いていた。

たしかにそうだったかもしれない。
僕の面倒をみることで精一杯で
彼女は自分の夢を見る暇がなかった。

「これから、一人で頑張る」

彼女はそう言っていた。

でも、その言葉にはどうしても違和感があった。

僕は思っていることは彼女に言った。

「君の言っていることはすごくよくわかる。
心から応援してあげたい。本当に感謝している。
でも、ずっと許せないことがある。
君は一人で頑張るなんて言うキレイごとを言うべきじゃない。
君は一人じゃない。彼がいて、彼のもとに走った。
言いたいことも、気持ちもわかるけど、そこは許せない。」

彼女は黙って聞いていた。

「もう戻れないなら仕方ない。
言いたいことは全部言った。もうダメなのも解った。
今さらもう何も言わないし、起きてしまったことを今からどうこう言わない。
でも、ズルいと思う。
一人で頑張るとかなんとかいって不幸ぶってるけど
君は一人じゃない。そんなこと言ったら彼もかわいそうだよ。
彼だって遊びで付き合ってるわけじゃないでしょ。
僕は、今さら彼と別れろなんていうつもりもない。
でも、君のズルさだけは許せない。」

彼女はしばらく黙って言った。

「ごめんなさい。
本当にその通りだね。
今、彼に支えてもらってます。
一人じゃなく、二人で頑張りたいと思ってる。
あなたには本当に本当に感謝してる。
絶対忘れることのできない大切な人。
ここ何カ月感も辛くて辛くて仕方なかったけど
最後の最後にあなたが助けてくれた。
あなたが見守ってくれたから生きてこれた。
本当にごめんなさい。」

彼女は泣きながらそう言った。

僕はよくわからないけどなんとなくもういいと思った。
許そう。そう思った。

「それが解ればもういい。頑張りな」

僕はそう言った。

本当に潮時だと思った。
もう、お互い時間の無駄になると思った。

「僕は今の家を引っ越そうと思う。
今まで何とか帰ってくるところだけは守っていたかったけど
もう、それも必要ない。
あの家には思い出が詰まりすぎてる。もう潮時だ。」

ずっと。家にしがみついてた。
本当に、最後の希望の家だった。
この家だけは守りたかった。
もう、無理なのは解ってたけど、なかなか出ていけなかった。
でも、最近は住むこと自体が辛かった。
彼女の荷物だらけの部屋。
荷物はたくさんあるけど、心のない部屋。
なんか、物置に住んでいるような虚しさがあった。

「今、君の荷物だらけだから整理しよう。
二人で買ったものもたくさんある。
僕は全部新居には持っていけないから、処分も考えよう。
ほしいものがあったら何でも持って行っていいよ」

彼女は頷いた。

「本当にごめんなさい」

もう、何百回も謝ってもらった。
別にもう謝ってほしいなんて思ってない。
少なくとも彼女には誰よりも感謝してる。

「別にもういいよ。頑張ってくれればいい。
早めに整理しよう」

僕はそう言った。

それから2時間くらい、彼女となんでもない話をした。
普通の馬鹿な話。
テレビの話とか、仕事の話、最近の世の中の話。
そんな普通の話を笑いながら2時間くらいした。

とても悲しかった。

僕の一番大切な人。
僕の全てを知っている人。
僕が守りたかった人。
僕の全ての中心にいた僕の太陽。

僕が死んだ時、誰が彼女に伝えてくれるんだろう。
彼女が死んだ時、誰が僕に伝えてくれるんだろう。

彼女を恨んでるんじゃない。憎いんじゃない。
彼女のしたことも全部許せる。
僕は彼女が好きなんだ。

嫌いじゃないのに別れなきゃいけない。
正直、意味がわからない。

死別じゃないのが唯一の救いかな。

妻から離婚を切り出されています。

両親に今の状況を話してから
よく両親から連絡があります。

大丈夫なのか？
元気なのか？
やっていけてるのか？

そんな電話がしょっちゅうあります。

いちど実家に帰ってこいとしつこいので
連休を利用して実家に帰りました。

うちの両親は妻のことが大好きだった。
本当にかわいかったらしい。

両親は僕にこう言いました。

「綺麗な子をもらいすぎたんだよ」
「もともとお前にはもったいなかったんだ」

そうかもしれない。
確かに僕にはもったいなかったかもしれない。

「頼むから解放してあげてくれ」
「幸せになるようにねがってあげなさい」

それは、僕だって解ってるし、同じ気持ち。

でも、本当のことをいったら両親はなんていうんだろう。
彼女がどうやって家を飛び出したか。
そんなこと想像も出来ないんだえろうな。

そんなこと両親には関係ない。
黙って、僕にはもったいなかったってことにするのが
せめてもの親孝行なのかもしれない。
両親は彼女が好きだから。

ぼくは
「解ってるよ」
としか言えなかった。


両親は僕の生活も心配らしく
実家に戻って来いという。
確かに、仕事も辞めたし、生活もきつい。
いままで、どうしても二人の家だけは守りたくて
この家にしがみついてきたけど、正直、現実的にキツイ。

でも、実家には帰れない。
せっかく会社までやめて踏み出したんだから
もっと頑張りたい。
今、実家に帰ったら負けな気がする。

とりあえず、この2人の家はひきはらおうと思う。
また吉祥寺のどこかに一人暮らし用の家を借りようと思う。
そして、もっと頑張ってみようと思う。


実家からの帰り際
米だのパンだの缶詰だのいやってほど持たされた。
しばらくは食べていけそう。

「いつでも帰ってきていいんだよ」

そういって僕を見送ってた。

妻から離婚を切り出されています。

妻との関係がおかしくなってもうすぐ一年。
いろいろあったけど、僕はまだ彼女が好きだ。

たぶん、もう戻れないのはよくわかってる。
周りからもあきらめろと言われる。
でも、なんだかんだでずるずるここまで来てしまった。
僕のあきらめが悪いから。

もう、最後にしようと思い彼女に手紙を書いた。

彼女を前にすると、お互い泣いてしまい上手く言えないから。

便せんに3枚。
自分の思ってることを書いた。
そして、彼女が一人で住む家に送った。

12月で僕と彼女が付き合い始めて9年。
僕の人生の3分の１近くをほぼ毎日一緒にいた女性。
僕の人格を作ってきた女性。

なんで何年も一緒にいれたのか、何で結婚したのか。
少なくとも、一緒にいた時間は互いを思い合っていた。
周りがうらやむほど笑顔に溢れた関係だった。

彼女は本当は気づいているんだと思う。
でも、今さらと思ってるんじゃないか。
そんな風に思ってしまう。
今の彼女は、どうみても幸せに見えない。
意地を張って、不幸に突き進んでいるように見えてしまう。
少なくとも、何年も一緒にいて一番彼女のことを知っている僕には
そう見える。

この1年は、何十年のうちのほんの1年。
そんな風に思ってる僕がいる。

たぶん無理なのは重々承知。
これで、最後にしよう。

妻から離婚を切り出されています。

妻とはあれから何度か話しました。
前みたいな険悪な雰囲気はなく、落ち着いて話をしてます。
今僕が住むこの部屋をどうするか、荷物をどうするか
そなことを淡々と話します。
時折笑いもあります。

でも、僕はやっぱり別れたくない。
少なくとも妻と一緒にいた時間は、とても大切にしたつもりだし
僕もすごく幸せだった。

彼女にはもう他の男がいることも知ってるけど
僕には別に問題じゃない。
やっぱり戻ってきてほしい。

妻と話していると、僕は涙が出てきてしまう。
泣かないように平静を装っても、やっぱり涙が出てきてしまう。

このまえ、妻と話していたら
やっぱり泣きそうになった。
泣かないように必死で我慢して、ふと妻の方を見ると妻がボロボロ泣いていた。

「本当に子供だった」
「あなたに守られてきたのを気づけなかった」

妻はわんわん泣いていた。
それを見て僕も泣いてしまった。

つい、「戻っておいで」と言ってしまった。

でも、妻はそれは出来ないと言っていた。

あなたは私を本当に大事にしてくれた。
本当に守ってきてくれた。
世界一尊敬してる私の誇り。
私のことを世界一大切にしてくれる人。
こんなにいい男はいないと思う。

本気かどうか知らないけど彼女はそう言ってた。
じゃあ、なんで戻れないの？
わからない。

そういえば、もう一人の子も同じようなことを言っていた。
その子も僕とは恋人にはなれないといっていた。
わからない。

いったい僕自身がどうしたいかも解らない。

何年も連れ添って思いあってきた妻が大切。
何年も心の隅にいて、一番価値観のあってきたその子。
どっちも好きでどっちも大切。
ひどくずるいかもしれないけど、どっちかとくっつけばどっちかをあきらめるのかもしれない。
だから、二人に執着してすがってる。
妻には戻って来いと言い、その子には付き合えという。
酷くずるいけど、正直な気持ち。

妻は僕のことを世界一いい男といった。
その子も同じことを言ってた。
本当にそう思ってくれてるなら、それは多分僕にだまされてるんだろう。
僕はそんなんじゃない。ずるくて弱い人間だ。

でも、二人とも苦しいほど好きなのは間違いない。
すごく大切にできる自信もある。
でも、今のところどちらにも思いは届いているだろうけど、叶ってはいない。
それでも諦めあれずに執着してる。

ずるくて嘘つきな僕は、反面正直ものだとも思う。
今は全てがわからない。

妻から離婚を切り出されています。

妻とはこの前会ってから、電話もメールもしていない。
したいけど出来ない。
何を言ったらいいのか解らない。
でも、僕の実家の両親には状況を話した。
着々と正式な離婚に向かっているんだろうけど
僕はやっぱり離婚をしたくない。


最近彼氏が出来たといっていた例の子は
しばらく音信不通だったけど、
予想通りまた連絡が来るようになった。
何事もなかったかのように普通に電話したりメールしたりしてくる。
一体あの子は何なんだろう。

何だかんだで昨日は一緒に「ヴィヨンの妻」を見に行ってしまった。
普通、そういうのって彼氏と行くと思うんだけど
何故か一緒に行きたいってことで一緒に行った。

一緒に映画に行く前日、深夜彼女から電話があった。
かなり酔っている。
「せっかく明日デートなのに飲みすぎちゃった」
「もう電車なくて、荻窪から歩いて帰ったら迷子になっちゃった。」
「助けてぇ」

彼女は酒癖が悪い。
たぶん泥酔してるんだろう。こんな電車も無いような深夜に
カワイイ女の子が一人で酔っぱらって歩いてたら何があるか解らない。

何だかんだで、彼女の電話をつなげたまま
自転車で探しにいってしまった。

しばらく彼女の話を聞きながら自転車をこいでたら
大声で僕と電話をしている彼女を発見した。
彼女は、僕を見つけると嬉しそうに抱きついてきた。

すごく酒臭い。かなり酔ってる。

「おまえ、もっとしっかりしろよ」と僕。
「ごめんなさぁい。いつまでも手がかかる子ですいません。えへ。」と彼女。

「なんで荻窪から歩きなんだよ」と僕
「あのクソ男にだまされた！やらせないっていたら荻窪で降ろされた」と彼女。

なんだそりゃ。。。

「ひどい彼氏だな。。。」と僕
「彼氏じゃねぇよ！彼にしろってうるさいだけ。言いよってくる奴の一人」と彼女。

こいつ酷いな。。。

「お前、彼氏いるんだろ？怒られるぞ」と僕
「いるよ。えへへ。でも大丈夫」と彼女。

大丈夫じゃねえよ。
彼氏はたまったもんじゃないだろうな。

「彼氏がいて、他の男とデートして、さらに泥酔の後始末が俺って酷いぞ」と僕。
「そーだよねー。酷いよねー。」

いつもこの子はこうだ。

この子の彼氏は、この子がこんな子だって知ってるのかな。
外面がすっごくよく、どっからみても清純派のカワイイ女の子。
でも実際はかなりひどい。
僕は、この子を10年見てきた。たぶん一番この子のことを知ってる。

こんな酷い子なんだけど、憎めなくて振り回されて
そんなとこが可愛くあったりもする。
でも、多分付き合ったら大変なんだろうな。

翌朝、何事も無かったように映画を見に現れた彼女。
普通にデートした。

僕はもしかしたら、彼がいるなんて嘘なんじゃないかと思って聞いてみた。

「彼とはうまくいってるのか？」

彼女は

「うん。すごく優しいよ。」

女って解らない。
やっぱこの子は、今の仲良しの妹くらいの関係がちょうどいい。
結婚したり、一緒に生活するような子ではないな。